1. はじめての事業承継

事業承継を経験した事がある方というのは
少ないのではないでしょうか。
経営者の方にとって事業というのは
自分の娘みたいなものとも言われます。
それが自分の引退と共になくなるというのは
とてもさみしいものです。
それならせめて、信頼できる人のもと
「事業を続けて欲しい」と思うのは当然のことです。
また、
現実的なところで従業員の雇用の維持
という問題もあります。
やはり、
一般的には経営者よりも従業員の方が若く、
従業員としてみれば事業が無くなると
生活に支障が出ることは間違いありません。
一般的に事業の出口は5つと言われています。
- 上場
- M&A
- 身内への承継
- 幹部社員への承継
- 廃業
この内、『1.上場』はハードルが高いです。
そして、
プチ上場と言われる『2.M&A』も、
今までの中小企業には縁遠いものでした。
以前は『3.身内への承継』が圧倒的に多く、
その中でも子への承継が多数でした。
しかし、
近年、子への承継は急激に減ってきています。
その理由は以下の通りです。
ここから推測できる背景としては、
経営環境の悪化が考えられます。
以前であれば、家業だから子が継ぐ、
というのが当たり前の考え方でした。
しかし現在は、
誰が引き継いでもなんとか事業が継続できる、
という時代ではなくなっています。
そのため、後継者の選定は悩むことも多く、
決めきれないまま経営者自身が年を取ってしまい、
十分な承継期間が取れないということも起こってしまいます。
そうなると、事業を継続させたいという
当初の目的が果たせなくなるということにもなりかねません。
早くから準備をすれば打てる対策も多くなります。
事業承継について考えはじめることに、
早過ぎるということはないのです。